グリーン&レッド ヴィンヤードについて
「1977年〜愛と平和とジンファンデルと」
反戦が叫ばれた1960年代、かの有名なカリフォルニア大学バークレー校で彫刻を教えていた創業者のジェイ・ヘミンウェイはグループで地元の新鮮な野菜やハーブ、食材に重きを置いた「プロバンス料理」に傾注。そのグループの一人、アリス・ウォーターズは今では誰もが知る「シェパニーズレストラン」を開業しました。
ジェイはナパヴァレーの北東部の山間、チャイルズヴァレー地区に巡り合い、1969年、その土地を購入し素晴らしいジンファンデルや土地にあったブドウを育てました。
ワイナリー名、グリーン&レッドは畑の堆積岩の特徴的な赤色の土壌に土地を流れる曲がりくねった海洋性の川の緑色から名付けられました。
3つの畑は、標高360〜540メートルと高低差の大きい範囲に及び、最高地点では中央ナパヴァレー、セントヘレナ地区などの素晴らしい眺めが一望できる場所に位置します。
ブドウは自社ワインのみならず、カリフォルニアの中でも大変著名なワイナリーでも使われています。中でもバイアル、スクライブ、ターリーなどのワイナリーはグリーン&レッドのブドウからなるジンファンデルで著名誌において高得点を連発しています。また、グリーン&レッドは先述のシェパニーズのジンファンデル・ハウスワインを長年に渡って担当しており、その希少さは大きな人気となっています。
残念ながら創業者ジェイは2019年に多くの功績を残しこの世を去りましたが、そのファミリー・パッションは娘であるトビン・ヘミンウェイ、ワインメーカーで著名なマヤカマスワイナリー出身のアーロン・ウィットラッチと経験豊富なグリーン&レッドのチームに脈々と引き継がれています。
トビン・ヘミンウェイ
アーロン・ウィットラッチ
毎年の著名誌の高評価を受けながら、価格は抑え目で高コスパ。さらに少量生産を脈々と続けているためワインは常連顧客のメーリングリストでの提供がメインとなり、市場ではなかなか流通しない大変希少な存在ですが、この度日本の市場に向けてのご紹介となりました。
2016 ジンファンデル、チャイルズ・ミル・ヴィンヤード
2016 シラー、ティップ・トップ・ヴィンヤード
2016 プティット・シラー、ティップ・トップ・ヴィンヤード
チケットはこちら
【感染症専門医師のアドバイスを受け、コロナウィルスにつき以下のような対策を取ります】
「ワインで生活を豊かに」
カリフォルニアワイン専門のインポーター、エフセラーズが「新しい生活様式」に則った特別試飲販売会を開催致します!
極上カリフォルニアワインを20種類程度試飲いただけます。
サンフランシスコ在住のトッププロが年間1000種類以上試飲した中から実際にワイナリーを訪問、ワインメーカーにインタビューし厳選。そのカリフォルニアワインは限られたこだわりのレストランやホテルでの取り扱いで大好評をいただいています。まさに希少カリフォルニアワインです。
ゆったりとした雰囲気の良い六本木のラウンジ風のバーでのエフセラーズ蔵出しワインを試飲いただきます。今回も超希少なカルトワインを用意いたしました。
密を避けるため一部あたり90分で完全入れ替え、完全予約制といたしました。
それぞれ6名限定でお席の方大変限られております。どうぞお早めにお申し込みください。
開催概要
10月2日(金) (5部入れ替え制)
14:00 – 15:30
15:30 – 17:00
17:30 – 19:00
19:00 – 20:30
20:30 – 22:00
10月3日(土) (5部入れ替え制)
14:00 – 15:30
15:30 – 17:00
17:30 – 19:00
19:00 – 20:30
20:30 – 22:00
@Ami Du Vin アミデュバン
東京都港区六本木6-1-6 ザクセンビル3F 六本木交差点のアマンド六本木店を右へ曲がります。1Fが居酒屋「魚浜」の3Fです。
六本木駅3出口より徒歩約1分
前売り : ¥4,000(税込)当日¥3,000割引チケット付き
チケットはこちら
完全予約制とさせていただきます。
体調や都合などによるキャンセルはキャンセル料なしで当日12時まで受け付けます。(カード払いの場合。コンビニ払いは手数料¥500がかかります)
提供予定カリフォルニアワイン
(当日のコンディションにより変更の可能性があります)
(価格は税抜)
蔵出し、超希少カルトワイン(お一人様、20ml)
2007 アルタムラ カベルネ・ソーヴィニヨン ナパバレー ¥29,800
→パーカー95点+ワインスペクテーター& Top100 #5 !
2010 ショーン サッカリー、オリオン(シラー) ¥19,800
渾身のスパークリング、ワインスペクテーター93ポイント& Top25
NV ロデレール・エステート、ブリュット スパークリング ¥4,600
バレンタイン「ナパ、セントヘレナのワンランク上の自社畑レーベル」
2016 マルヴァジアビアンカ ナパバレー ¥4,400
2017 バレンタイン ジンファンデル ナパバレー ¥6,400
2017 バレンタイン メルロー ナパバレー ¥6,980
2017 バレンタイン カベルネフラン ナパバレー ¥7,980
ストーム「サンタバーバラの門外不出ワイン」ストーム
2019 ソーヴィニョン・ブラン ¥4,400
2014 ストーム、ピノ・ノワール、プレスキル・ヴィンヤード ¥8,800
セラーズ33「サンフランシスコ、ダウンタウンの醸造場から産み出される都会派で身体に優しいワイン」
2019 ロゼ・オブ・ピノ・ノワール ¥4,600
2016 ピノ・ノワール、ハミングバード・ヒル ¥6,980
2016 ジンファンデル ¥4,900
その他、当日まで秘密のワイン、平均¥8,000を5種類ほど用意しております。
(当日のコンディションにより変更の可能性があります)
マルシェが街に戻りました!9月は場所を変えて毎週末出店いたします。
9月出店予定
青山ファーマーズマーケット@OVAL会場
◇9/5(土)・9/6(日)10:00~16:00
◇9/12(土)・9/13(日)10:00~16:00
新型コロナの影響で、どのマルシェも開催休止となっていましたが、感染防止の対策を取りながら、ようやくの再開となりました。エフセラーズスタッフ一同、皆さまとお久しぶりにお会いできることを楽しみにしております。
表参道駅より徒歩5分、オーバルビル前広場(東京都渋谷区神宮前5-52-2)
通常開催をしていた国連大学のお隣のビル前で規模を縮小しての開催となる、表参道の国連大学前で毎週土日に開催されるマーケット。「生産者からの安全で健康な食を都市に届ける」という役割を果たしています。感染防止対策を取りながら、お隣のオーバルビル前で規模を縮小して再開しました。
]]>グラスのふちに向かってすぼまっている形が良いです。ワインの香りがわかりやすくなります。
一般的には、赤ワインは白ワインより大きいグラスで、またスパークリングワインはフルート型のグラスでサーブします。
グラスに、汚れや指紋、洗剤のあとが残らないように、完璧にきれいにしてから使用しましょう。
◇ワインのサービス方法
ワインをサーブするときは、ワインに問題がないか、まず次のことをチェックします。
・ワインの外観(にごりの有無)
・浮遊物がないこと
・香り (状態の悪いワインは、濡れた段ボールや酢の香りがすることがあります)
◇抜栓後
一度栓を開けたワインは、空気と触れることでゆっくりと劣化していきます。
コルクで再び栓をして冷蔵庫で保管することで、ワインの味わいをより長く保つことができます。
空気から遠ざけることが大切ですので、下記の方法も効果的で、ネットなどで広く扱っています。
・バキューム方法
ポンプ式に瓶内から空気を取り除きます
・ブランケット方法
瓶内にガスを注入することで、空気を追い出します。ガスによるワインの劣化はありません
市場に出回っている90%以上のワインは買って短期間(数週間)で消費するのが良いでしょう。
長期保存に適したワインは瓶内での熟成が進むように樽や醸造方法にこだわっているため、一般に価格帯は高めで、ブドウの種類によって判断できます。作り込んだカベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールなどは代表的て、長期熟成により美しい味わいをお楽しみいただけるでしょう。
そんな生産者の想いのこもったワインはしっかりと劣化させずに保管したいところです。ワインを保管する際には、温度、光、向きに気をつけます。
・ワインを「一定の」「涼しい」温度の環境で保管します。
温度差の激しい環境はワインにとっては大敵です。
ワインセラーがある場合は14~16℃での保存が理想的です。
冷蔵庫は振動と乾燥しがちですので長期の保存には向いていません。
エフセラーズのワインは良質なカリフォルニアのブドウを使用していますので、気温が25℃を超えないような(理想的には20℃以下)環境を確保できる季節(一般的に10~5月)でしたら屋内の保存も大丈夫です。
・直射日光や強い照明が当たらない場所に保管しましょう。
照明の光も日光と同じくワインの味わいに悪影響を与えます。
・コルク栓のワインボトルは横に寝かせ、振動の少ない場所で保管しましょう。
コルク栓をワインと触れさせることで、コルクの乾燥を防ぎます。コルクが乾燥すると、瓶内に空気が入ってしまい、ワインの風味が劣化することあります。
スクリューキャップのワインは、ボトルを立てて保管して大丈夫です。
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甘口 6~8℃
スパークリングワイン 6~10℃
白ライトボディ&ロゼ 7~10℃
白ミディアム~フルボディ 10~13℃
アイスバケツはテーブルでも温度を低く保つのに効果的です。
使用するときは、氷と一緒に冷水を入れると効果的です。
また、塩を氷にひと振りすると早く冷えます。
ミディアム~フルボディ 15~18℃
ライトボディ 13℃
温度を上げるには、直接熱を当てるのではなく、エアコンなどを利用したり、室温で自然に調節しましょう。
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エフセラーズのオンラインショップがオープンしました
新型コロナウィルス感染拡大による政府の緊急事態宣言発令されている中、この事態が一日も早く収束することを祈念するとともに、エフセラーズのカリフォルニアワインを安心してお楽しみいただけるよう万全の準備を整えてまいります。
この度エフセラーズのオンラインショップを開設いたしました。身体に優しい、職人技の、本物カリフォルニアワインをご用意しております。是非ご利用ください。
ご自宅で自粛中の皆様を応援すべく、たくさんのスペシャルセットをご用意いたしました。こちらは送料税込となっておりGWにゆっくりとお楽しみいただければ幸いです。
(*GW前最終出荷は4/30木までのご注文で5/1発送→5/2着となります)
一例
セラーズ33 赤・白・ロゼ3本セット 42%オフ(送料・消費税込)
セール価格 ¥9,999 (通常価格¥17,270)
エインシャント・ピークス 3本セット 30%オフ(送料・消費税込)
セール価格 ¥9,999 (通常価格¥14,300)
その他たくさんのスペシャルセットを用意しております。
引き続きエフセラーズのカリフォルニアワインのご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いします。
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エフセラーズのオンラインショップがオープンしました
サイトはこちら→ https://cwines.myshopify.com/
新型コロナウィルス感染拡大による政府の緊急事態宣言の状態となっております。この事態が一日も早く収束することを祈念するとともに、安心してご利用いただけるよう万全の準備を整えてまいります。
この度エフセラーズのオンラインショップを開設いたしました。身体に優しい、職人技の、本物カリフォルニアワインをご用意しております。是非ご利用ください。
ご自宅で自粛中の皆様を応援すべく、たくさんのスペシャルセットをご用意いたしました。こちらは送料税込となっておりGWにゆっくりとお楽しみいただければ幸いです。
(*GW前最終出荷は4/30木までのご注文で5/1発送→5/2着となります)
一例
セラーズ33 赤・白・ロゼ3本セット 42%オフ(送料・消費税込) セール価格 ¥9,999 (通常価格¥17,270) エインシャント・ピークス 3本セット 30%オフ(送料・消費税込) セール価格 ¥9,999 (通常価格¥14,300)その他たくさんのスペシャルセットを用意しております。 サイトはこちら→https://cwines.myshopify.com/ 引き続きエフセラーズのカリフォルニアワインのご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いします。 |
5月11日の試飲会は「サクラアワード受賞カリフォルニアワイン」がテーマです。
通常小売価格¥5,000~¥9,000の高級カリフォルニアワイン。しかも日本屈指の品評会である、サクラアワードで受賞したカリフォルニアワイン(ダブルゴールド、ゴールド、シルバー賞)を惜しげも無く提供いたします。ダブルゴールド賞は世界中から4千アイテムを超えるエントリーより、上位0〜6%に選ばれた、真のトップオブワインズです。そのダブルゴールド受賞ワイン7種類にゴールド、シルバーを加えたラインアップです。
お申し込みはこちら
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毎回大好評をいただいております。カリフォルニアワイン試飲会/販売会のお知らせです。
詳細はこちら
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毎回大好評をいただいております。カリフォルニアワイン試飲会/販売会のお知らせです。
詳細はこちら
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以下、太字が私の注釈、かつコメントです。まず、陽子ちゃんが書いたレポートだけを読んでください。そして、自分なりの理解と感想をイメージしてください。その上で、太字コメントを読むと、面白いかと。
小原陽子作ミニレポート
先日、世界で最も由緒と権威のあるワイン商BBR社のお招きでマーク・パードーMW(注:英国ベースのマスターオブワインで、上記ベリービラザーズラッドに勤務。1998年に就任)にインタビューをさせていただきました。
主な質問は同席したMW研修生と共に考えたもので、私たちの試験勉強のためのものでしたが、いくつか一般の方にも面白いと思っていただけそうなやり取りがありましたのでご紹介します。
◆日本の市場はなぜ海外の流れ(注:これは要注意です。海外とはどこを指すのか?消費大国のアメリカ、フランス、イタリア、ドイツに加えて、輸入大国の英国、中国など?とはいえ、文化などの違いがあり、英国と中国、フランスとアメリカでは、『流れ』は違います。ここは、きっちりと定義する必要があります。この点を事前に明確にすると、この質問の意図が更に研ぎ澄まされ、相手にも伝わりやすくなると思います)と違うのでしょうか?あれだけプロセッコ(注:英国が世界最大のプロセッコ輸入国)や甘口のワインベアフットなど(注:米国最大手のガロという会社が初心者向けに発売する6−10ドル程度のワイン。赤、白、スパークリングなど全てのカテゴリーでトップマーケットシェアーを保持)、ロゼワイン(注:ロゼワインについては、定義が必要ですが、この場合、『単にピンク色をしたスティルワイン』という感覚のはず)が流行しているのに日本ではほとんど相手にされない(注:日本は後発ながらも、微々たるスタートから現在二桁の成長率を記録し始めたというのが、私の認識。やっと仕掛け人が動き始めたか?)のはなぜですか?
そもそも、日本の市場は非常に洗練(注:どの英単語を使用したか不明です。恐らくsophisticated?この場合、高級ワインやフランスワイン主流のBBRにとって、日本はとても良い顧客であるという前提があるのかもしれません)され、成熟している(注:最新の英国発リポートでも、日本は高級シャンパーニュやクリュ レヴェル『=高級な』ブルゴーニュの輸入高ベースで、世界3大市場に入る)ことを理解すべきでしょう。世界の高級ワインの取引が行われている香港よりもはるかに成熟しているし(『成熟している」という意味を鑑みます。日本における高級ワイン輸入は、80年代のバブル期で最も活発になっているはず。その点、香港は少し遅れて(中国経済の急上昇との絡みもあり)参入しているので、日本よりは『成熟』=マーケットが古くないという意味だと解釈。ちなみに英語で「成熟市場」はMature marketと言いますが、成長期を終えて、安定しているという意味合いがあります。うがった見方をすれば、成長株の香港と、頭打ちの日本という構図が見えます。)ロンドンと同じぐらいと言っても過言ではありません。ー> これは同氏のリップサービスと読みべきでしょう。どういう英語を当てても、『同じ「位」と言っても「過言ではありません」』という言い方は、「同じではないよ。でもいい線いってる」というお世辞です。こういう英語のお世辞を日本人は真に受けるので、要注意!)
プロセッコや甘口の(注:ここは『甘口』のきっちりとした定義が欲しい部分。恐らく質問者の意図は、『低価格で一リットルに対して15グラム相応の残糖分があるワイン』かと)カジュアルなワイン、口当たりのいい(注:これは悩ましい。口当たりの良いロゼとは?超辛口のプロヴァンスもこのカテゴリーに入るのか?酸味が比較的低くフルーツが強調される新旧世界のロゼは?などなど。憶測するに恐らく英語でeasy to drinkと質問したのかしら?)ロゼなどは基本的に発展途上にある市場(ー>プロセッコ輸入が世界最大の英国は、では発展途上の市場なのか?ここでは「市場」という日本語を当てていますが、恐らく同氏が意図した単語は「消費者層 = consumer segment だと思われます。そう読めば、同氏の意見は実に客観的で更に論理的になります)に向けた製品。飲みやすく、わかりやすく、価格も比較的安い。それらの役割はこれまでワインに親しんでこなかった層を取り込むためのもの。だからこそ、アメリカのミレニアルがその消費とブームの大きな火付け役となったのです。
日本のように成熟したワイン市場ではそれらの必要がないからでしょう〜>この部分については、私は全く違う意見。多少甘みのあるワインは、全くワインを飲んだことのない消費者の導入口だというのは、マスターオブワインならずとも、業界の常識ですし、経験則です。日本の市場は成熟した市場ではなく、昔からワインを嗜むセグメントについては、高級ワインやフランスワイン志向だというのは日本の常識でもあります。またワインの有資格者(或いはお勉強をした人たち)が増えれば、当然もっと良いワインをと、より高いワインを消費するのは、昨年発表されたティム ジャクソンMWの論文(是非、ご一読を。サマリーした論文はWSETのウェブサイトで読めます。日本のDipWSETなら全員当然読んでいるはずです。とはいえ、日本は(若い層は勿論、中高年層も)ビール酒の文化で、彼らは「ワインに対する洗練」からは程遠く、いわゆる「飲みやすく、懐が痛まない」ワインを!という世界の主流派でもあります。また、ここでは言及されておりませんが、味覚に関する国民性の違いが、ワインの普及にも影響しています。例えば、日本人とアメリカ人(ドイツ人もー>リースリングを思い出してください)の許容甘味量は、大きく幅があります。要は、アメリカ人と日本人では「甘い」という感覚が大きくずれてきます。酸味についても、旨味についても同じく。この基本的な違いを考慮せずに、『世界の流れと日本の違い」を論ずると、ちょっと片手落ちな感じがします。
◆ではたとえばロゼワインなどの高級レンジが増えていけば、日本の市場に合ってくることもあるのでしょうか。
可能性はないとは言えないけれど、そもそもロゼワインとは肩の力を抜いて気軽に楽しく飲むものです。難しい顔をして飲むものではないし、あまり高級化してほしくないスタイルのものだから、どうでしょうか。それよりもロゼは繊細な和食に合うものだから、そちらを追及する方がいいかもしれません。(注:まさにここです。しかも、和食は全て繊細な訳ではないので、超から、辛口、甘口などなど、ロゼと和食のペアリングには大きな可能性があるかと)
◆ここ数年で市場の需要が目に見えて増えてきた産地や品種はありますか?
ロンドンの市場では東欧諸国のワインが売れています。これはフランスなど旧世界の定番のワインがどんどん高価になってしまい、一般の消費者に手が届かないものになった反動です。東欧のワインは定番の国々のワインに比べて非常に価格が抑えられていつつ、定番国の控え目なスタイルを踏襲しているので人気が上がっています。
◆自然派ワインのブームはどうお考えですか
当分の間は続くでしょうが、永遠ではないと思います。自然派というのは今後10年のワイン作りがどの方向へ向かって行くべきかという問いに対する究極の(極端な)答え(interpretation;解釈)だと思います。(全く同感。これは別途レクチャーやエッセーに落とそうかと)サステイナビリティや伝統的な手法への回帰などを、ある意味誇張して取り入れているものだと私は捉えています。自然派ワインはそのポリシーにお金を払うものであり(同感!)、そうしたいと思う人が買うもの。その土地独自の個性ではなく、自然派ワインという味のする(同感!)ワインですね。
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今回はその時の私同様、WSET Diplomaの課程を終了した、或いは終了しつつありサンフランシスコの愛弟子2人と一緒に来ている。彼女たちには、ぜひ同じ体験をして欲しいと思っている。ただし、私の犯した失敗は避けるようにとアドヴァイスしている。その失敗とは、あまりにも超高速で様々なワインの勉強と資格を取ってしまい、あっという間に、MWのプログラムに入ってしまったこと。4年前にMWのchair personには「くれぐれも業界で経験を積んで、相当に知識と経験を得てから、プログラムに入学してください」とアドヴァイスされた。それは、私のように全くワイン業界での経験も、ワインメーキングやブドウ栽培などの知識もなく、簡単にこのプログラムに入った人たちの、その後の苦闘を見て来たからだったのだろう。が、せっかくの親心も馬の耳に念仏で、「私の人生の夢と目標は、すべて最速で達成して来たのだ」という斎藤ゆき美学(というか、蛮勇)で、さっさと入ってしまった。
今思うと、例えば大橋MWのように、業界の真っ只中で若い頃から修行を積み、何十年という経験と知識をベースにMWに挑むのが、正統だと思う。またMW協会としても、私のように勉強の成果だけでMWのプログラムに入る人ばかりが増えて、閉口しているのだと気がつく。実際、入学する資格はワイン業界での経験3年(私が入ったときは5年)と言っているが、多くに人は、単にWSETやワインスクールで教鞭をとったり、にわかワインライターやブロガーになって「業界経験」を積もうとしている。それをすべて否定はしないが、そういう人ばかりがプログラムに入ってくると、「あなたはなんのためにMWになりたいの?」と聞かざるを得ない。(実際、昨夜のMWヂィナーに同席した若いスマートな中国人の1年生に、偉そうに説教してしまった:(当人は完璧に同意して、痛く反省する始末。。。_)
そういうわけで、私が大切に育てたいと思っている弟子たちには、将来は必ずMWのプログラムに入って来なさい。但し、「大学レヴェルの化学、英語のエッセイ書き、醸造学とブドウ栽培の知識と実技(実際に畑に出て剪定や収穫を経験し、ワインも自費で作ってみる)を体得してから入ってくること。そうでなければ、即戦力で受験勉強にならないから」と諭している。しかも、私がプログラムに受け入れられた年から、受験生には過酷な「時間切れ制度」が導入された。つまりは5年以内にステージ1(一日の試験)とステージ2(四日の試験)を受験し、すべて合格しない人は辞めてもらうというもの。過去のMWたちは10年以上かかってなる人がいたが、今ではそういう贅沢はない。
ありがたいことに、弟子たちは私の意図を汲んでくれて、きちんと時間をかけて勉強をする意思があるようだ。それに、彼女たちは身近で、ここ数年の私の無茶な受験生活を目の当たりにしているの。それがどんなに人生の犠牲を伴い、どれだけ体力と経済力を必要とするかが痛いほど分かるらしい。。。とはいえ、今彼女たちの目に映るのは、輝かしいMWとその周りのトッププロの世界で、賞賛と憧れの眼差しだ。ウンウン。私もそうだった。その気持ちを大切にしたいと思う。
ちなみに、4年がたち、改めてこのシンポジュームに参加した私の感想といえば、『MWになる価値があるか?」という同じ質問を違う角度で自分に問うている。これは進歩かしらん
]]>カリフォルニア・ワイン・ディストリビューターズ合同会社様
うーん。私は、もともと「日本人だから」とは「女だから」とかいう論理に冷淡で、「好きでアメリカに来たのなら、現地人のトップの間で勝負して、勝つべし!」という鉄則がある。「なんか、日本人同士が外国でくっついて、日本人相手の仕事をするのって、カッコわるーい!」なんて、内心思っているところがあった。(注:勿論、日本人にしかできない仕事も貴重です)とはいえ、いい年をして、「遊び心」がないわけじゃない。じゃあ、 自分たちでワインを作って、ブランドを立ち上げてみよっか?となった。
こうして3人の大和撫子で、立ち上げたのが「カリフォルニア ナデシコ ワインプロジェクト(仮称)」だ。私は、日米での広報とワイン教育を担当し、ワインメーキングにもかなり口を挟む。ぶどうを供給するのは、25年間ソノマヴァレーの中枢でワイン用ぶどう園を経営して来た中田夫妻。写真の通り、昨年9月の猛暑が訪れる前夜に、シャルドネを一緒に収穫した。美しいぶどうだった。ご夫人の貴子さんは、ご主人のNakai Vineyardワインを日本で販売している実績もあり、日本側の広報と事務会計を担当。そしてワインメーキングを担当するのが友人の平林園枝。当地カリフォルニア大学デービス校で醸造の学位を取得した後、ニュージーランドのKusuda Wineをはじめ、南米、米国を代表する最優良ワイナリー(リトライ、スティーヴ マサイアソン)で修行。もともと長野のリンゴ農家出身なので、畑作業にも精通しているナデシコだ。自分たちのワインを作る施設は、ナパのクラッシュパッド(ぶどうを持ち込み、自分のブランドをそこで作る賃貸施設)にした。私たちのプロジェクトを担当してくれるワインメーカーのトップ若山さんも日本人で、 まさに日本人のプロチームが集まってしまった。
このプロジェクトを立ち上げる際に、3人で同意したことがいくつかある。まず、最初に作るワインは、シャルドネ。スタイルはあくまでカリフォルニアらしく、しかも酸とフルーツのバランスの良いエレガント系(ナデシコ?)に仕立てたいこと。そしてなるべく手を加えないヨーロッパ方式で作ること。できたワインは、日本で紹介すること。顧客に対しては、できれば3人が雁首揃えて、説明兼試飲会を開きたいこと。そこで、ぶどうから瓶詰めまでの過程を、そしてこのワインに関して起きた様々なストーリーをシェアーしたいこと。などなど。
今、私たちの摘んだシャルドネはアルコール発酵を終え、13の樽で春の到来を待っている。つい先日も味見に行き、美しい成長を確認してきた。これから、正式なワインの名前やら、ラヴェルを決めていくが、「みんなのワイン」ならば、名前やデザインも公募しても良いのではないかと思っている。ご意見があればぜひ。(yuki@wisteriawine.com、 フェーフブックNadeshiko Winesまで)
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ピノグリージョやキャンティでおなじみのイタリアワインは世界中に流通しているが、 今後のイタリアワインの伸び率は、世界最大のワイン消費国 アメリカと、ワイン貿易をリードするイギリスの2国が 、握っていると思われる。米国は最大のイタリアワイン輸入国で、16年度に$1.8 billion相当を輸入。英国は二位だが、16年度は米国を抜いて最大のプロセッコ輸入国になった。最も輸入事情は為替レートに左右される。今の強い米ドルなら、輸入品(イタリアワイン)に対する購買力があるが、ブレクシットの影響で割安になった英ポンドでは EUからの買いものがままならない。そんな裏事情もあり、今までシャンペンの最大輸入国だった英国が、割安のプロセッコに注力したのだろう。
この2国の消費者動向と仕掛け人(ワイントレード)を分析していくと、次のヒット商品が見えてくるのではないか。両国に共通するのは、ミレニアル世代(1980〜2000年生まれ)の台頭と、ワインの供給ルートの二極化だ。 倹約志向のあるミレニアル世代はクラフトビール、カクテル好みで、ワインの消費はイマイチ。彼らを取り込むことが、ワイン業界の課題だ。ミレニアルは ちょっと変わった、クラフト的な、「面白い」銘柄に興味を示す傾向があるという。うってつけにイタリアには、何百という地場ぶどうがあり、仕掛け人は、こちらに注目しているようだ。米国ではソムリエを中心に「シチリアワイン」や、「チロルの白ワイン」をプロモートし、玄人受けしているが、英国でも小回りのきく中小の輸入業者が、割安で面白い地場ぶどう品種ワインを紹介し始めているという。
ちなみに、米英では供給ルートの M&Aが続き、現在の構図は「超大手酒販企業数社」と「その他大勢」の二極化だ。大手はスーパーやレストランチェーンなどを取り込み、当たり前の有名ブランドや大量生産ワインを流通しているが、中小業者の持ち味はフォットワークの軽さと、自社が特化した分野の海外ワイン生産者との太いパイプだ。ポートフォリオは小さいながらも、大手は振り向かない面白い少数生産ワインなどを発掘するのが得意だ。しかもこういうワインは概して仕入れ値が安いので、ある程度の利幅が確保できる。イタリアは、小さな輸入業者にとっても、大手にとっても、宝の山になり得る。
その他の注目筋では、ヒット商品のモスカトとスパークリングワインを掛け合わせたスパークリング モスカト(これはイタリアでは『アスティ』と呼ばれる歴史ある飲み物)、ロゼブームに便乗して有名地場ぶどう(サンジョベーゼ=キャンティやブルネロワインのぶどう、ネビオロ=バロロ)で作るロゼがある。またすぐに飲めるワインとしてプロモートしやすいのは、大量生産のブレンドワイン、バルポリチェラ(ボージョレと類似)や赤ワインの発泡酒、ランブルスコだろう。これを冷やして飲むというのが、一昔前のアメリカで流行ったが、このカムバックはあるかもしれない。いずれにせよ、懐が深いイタリアワインに対するワイントレードの今後の動きに注目したい。
]]>French consumption of rose centered traditionally in the south where 30% of global rose production and hot summers invite locals and tourists alike to drink lots of them. Rose is also widely sold in supermarkets all over France at very low unit prices of 2-5 euros as everyday drink. While French wine consumption has steadily declined, rose consumption went up 43% since 2002 and currently occupies over 30% of the wine sales. The key factor was unpretentious and casual charm of rose wine which attracted the young consumers, particularly women. They found rose as an attractive alternative to beer and cocktail. Rose based cocktails also became popular which helped entry of non-wine drinkers as well. Recent hot summers in France also helped generate large sales. As a result, French thirst for rose jumped to 8.1mhl in 2014 which was more than the domestic production capability of 7.6mhl; while France is the world’s largest rose producer and consumer, she became the world’s largest importer of rose wine.
Rose’s success resembles that of Campagne’s when one considers its strong seasonality and the following universalization of drinking occasions. As a hot summer drink, it is well established in countries such as Tunisia and Urguay where 50% of wine consumption is rose. Its pink color, associated with the color of ‘love’ has positioned itself as the Valentines Day wine in the UK when the sales peak during February according to Harpers Wine & Spirits. Recent Instagram craze over rose pictures, due to its many pretty shades, and the following active exchanges among non-wine drinkers suggest a boom from a different angles … by social media. The best example, however, of making rose to evey day drink from summer vacation memory is in the US, where off dry blush zinfandel used to be the most popular rose wine.
The quiet boom began in the Hamptons, a New Yorker’s weekend escape during summer months. New Yorkers are known to favor European wines over the domestic, given the proximity to the Continent and their pride as the bastian of sophistication. Naturally in the Hamptons, the most popular summer wine became that from Provence. But the story did not end there; as New Yorkers settled back in the city after summer, many continued to drink rose as they found it highly food friendly and versatile. Sommeliers in New York City caught up the buzz and the fad began. Another success factor was the entrance of unexpected consumers, young male population who claimed rose as men’s drink and promote such in multi-media. Those are the consumers who lifted craft beer movement in the US and by the same fashion, they promoted rose as beer of wine and called it “brose”. The New York originated dry Provence rose craze soon spread into major cities; by 2014 the US became the world’s second largest rose consumer where almost 50% drinkers are male.
The spread of dry French rose in the US helped elevate rose as the premium wine. Compared to blush Zinfandel sold around US$5-12 at the bottom shelves in supermarket, Provence rose is marketed as the prmium wine in evey super market and wine retail stores for US$15-25. Unlike France, winemakers in the US are not constrained by wine regulation and that they can produce rose from any varieties and anywhere. Savvy wineries soon caught up with the ‘dry style’ rose production of quality and are able to sell them at the middle and upper shelves and in the “featured” isles along with French rose in the national supermarkets, commanding the same price ranges. The timing also worked well as US consumers are upgrading the wine budget to the category over $10 and $20+. In the $5-9.99 category where off dry rose is sold, mass producers such as E. J. Gallo and Sutter Homes are consolidating the market share by offering dry style rose as well. The two countries who realized the rose growth, France ad the US, consume 50% of global consumption.
Another possible success factor going forward is climate change, versatility and social media. As global warming continues, consumers will more likely be drinking fresh easy wine such as rose over red or oaked white wines. Brazil and Argentina whose rose consumption is increasing can be major rose consumers. Rose’s versatility for food pairing should also help it drink at barbecue and in outdoors. As many regions may suffer from weather variation, black grapes can always be harvested early in case of cool/rainy vintage, or in hot spikes in warm regions, and made into rose. Rose can generate quick cash flows as white but may generate higher margins than white by the higher unit pricing. Social media can also elevate young consumers’ curiocity of the rose wine, whether as ‘brose’, cocktail base, or simply pretty-colored wine. Rose’s wide range of styles and price points will be a great entry for non-wine drinkers in NW countries.
Rose’s global success have many facets of factors; its versatility, production flexibility, food friendliness, freshness, wide range of price points and the pretty shades of colors. The promotion of rose was multi-faceted by Millennials, male population, social medias and by the producers who responded to the growing demand timely. It caught the great wave of premiumization in the US and expanded consuming population beyond the traditional in the global market. With positive factors in place, its popularity looks solid g
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Another challenge is the lack of legal definitions such as “Japanese Wine”. Wines consumed in Japan, and overwhelming 80%+ commercial “Japanese” wines, are the product made out of imported frozen bulk must. The must is typically imported and processed by major drink companies, such as Kirin and Suntory, from Chile and Australia. They are sold in various easy packages (BIB) for early consumption and priced 500-750 yen ($4.50-$6) as daily fare.
Japanese government apparently recognized the problem, whether out of concern for starting up a healthy wine industry, or calculation for the upcoming Tokyo Olympic Games. The latter will be a great showcase to feature globally popular Japanese cuisine, and of course, the Japanese wine to foreign guests. Thus, the legal definition of “Japanese wine”, wine using grapes grown in Japan and vinified in Japan, will take an effect in October of 2018. I wonder if this signifies the recognition that wine is finally becoming a good part of our culture?
Despite the late movement at the governmental level, winemakers and wine grape growers are facing true and real challenges; in the country where super high price is paid to fresh grapes of the American origin (Vitis lubrusca), not many farmers show interest in switching to unknown (in Japan) wine grapes of European origin (Vitis vinifera). Large berried, thin skinned, seedless Concord and Delaware are the popular grapes in Japan where vigorous soil and hostile climate with heavy rains during growing season makes it challenging to grow wine grapes. Therefore, the Japanese winemaking tradition is the wine made out of left-over (unmarketable due to imperfect shapes) American varieties by grape farmers themselves. The quality of such wine is obvious as proven by the American history when European immigrants had tried to make decent wine out of indigenous varieties without success.
During my most recent trip to Japan, I have met many passionate and innovative winegrowers. Their efforts and trials to improve the quality of wine grapes are truly admirable in such adverse terroir. Many of them have studied and worked abroad in Bordeaux and Napa, for example, while others are young generation of traditional grape farmers who fell in love with wine. Major corporate producers are also investing in own vineyards and making new trials for innovation. Worrisome factor, however, is the outlook for shrinking grape supplies, as most grape growers are reaching the retirement age without prospective new generation. Aggravating the situation is the new entries of young ‘winemakers’ dreaming of own wine labels, despite the shortage of wine grapes, not alone quality wine grapes. The basic fact needs to be reiterated; fine wine is only made out of fine grapes.
In Japan, consumers are willing to spend over $20-35 for domestic wines made of Koshu, Muscat Baily A and Concord even though that same range can purchase good quality imports. Despite the obvious popularity, I am convinced through numerous interviews that no one really thinks that the Japanese wine is truly delicious and of high quality just yet. The sentiment that “the Japanese winemakers are trying so hard to conquer the adverse terroir!” and therefore, “I want to support their efforts” is the push behind the sales.
As an outsider, I was typically a bit aloof toward such patriotic intimacy between the consumers and the wine producers in Japan. Yet over these years of witnessing how hard the producers have worked to improve the quality, I came to appreciate the support system. Despite all the understanding, I still think that the Japanese consumers are not doing a true favor for the producers, simply because their “protectionism” is shielding the winemakers from true quality-competition in the international scale. So my advice to Japan is to look beyond the border and realize that the level of Japanese wine is still not competitive enough, for the value. It is my hope that the “Japanese wine” will have all the right stuff to be proudly presented to anyone and anywhere, and that some will become international brands…someday.
]]>以前レポートした通り、日本にはワイン法が存在しない。日本酒という古来の文化があっても、ワインという新しい飲み物は、まだ日本文化に根を下ろしているとは言い難い。日本でワインを醸造する場合、ワインメーキングは日本酒の酒造法に基づいて管理される。その結果、欧米で当たり前の材料やテクノロジーも、酒の現場で使われていなければ、適用できない。
さらに問題なのが、「日本ワイン」の法的規定の欠如だ。市場に出回っている8割以上の「日本製」ワインは、大手酒造会社(サントリーやキリンなど)が、チリやオーストラリアなどから格安で輸入した濃縮ブドウジュースをワインに加工して、千円以内で売っているものがほとんど。
「これではいけない」と気がついたのか、或いは、オリンピック景気に備えた外国人目当ての商戦なのか、政府がやっと重い腰を上げた。日本ワイン を、「国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒」と定義し、2018年10月30日から法的に適用する。やっと日本も、ワインという 西洋で確立された歴史的飲み物を、我が国の一部として認知したということなのだろうか。
とはいえ、現場でぶどう栽培やワイン造りに関わっている方々の苦労は、続いている。まず、ワイン用ぶどうの栽培者が育っていない。 皮が薄く、タネなしで、実が大きいアメリカ出身の生食用ぶどうなどでは、決して良いワインは作れない。それは、植民地時代から、ヨーロッパの移民が、アメリカの地場ぶどうでワインを作ろうとしては、諦めてきた歴史が証明している。しかし日本ではこの生食用のぶどうに高値がついてきた。農家としては、得体の知れない「ワイン用のヨーロッパぶどう」など、 作りたくないというのが本音だ。結果、売れ残った生食用ぶどうを潰して、とりあえず「飲める」ワインを作ってきた悪しき伝統が続いている。
今回の取材で出会ったのは、本格的にワイングレープの栽培に取り組む人たちだ。それはフランスやアメリカでワイン造りを学んだ帰国組や、代々のぶどう農家の後継者がワイン造りに目覚めてしまったケース。大企業も広大な自社畑を使って、いろいろなトライアルを行なっている。とはいえ、老齢化が進むぶどう農家は離農を考え始め、逆に簡単にワイン造りをしたいと夢見る若者が、ワインメーカーを目指し始める。こうして、ぶどう不足はますます深刻になる。そして、優良なぶどうからでしか、美しいワインは作れないという当たり前の事実。
前号では、日本のナチュラルワイン人気を特集したが、今の日本は「日本ワインブーム」だ。3千5百円も出せば、海外の高品質のワインを購入できるとわかっていても、応援する心情で、日本のワイン(甲州・マスカットベーリーAや、生食用アメリカぶどう=デラウェア、コンコルドで作るワインなど)を買っ
てあげる。実際、膨大なインタビューを通して確信したことは、誰も日本のワインがとても美味しいとは思っていない事実だ。でも「あんなに頑張っているから、応援したい」という。
今では筆者も、日本人が日本のワインを応援したいという心情は理解
できる。なぜなら、ワイン造りに全く向かない高温多湿、大雨の風土にもかかわらず、本当に熱心にぶどうやワイン作りを研究し、励む姿を見てきたからだ。とはいえ、ビジネスの視点で見た場合、日本だけで通じる「甘え」が、生産者にも消費者にもある。要は「身内びいき」ということで、国内だけで通じても、海外の厳しい「自由競争」市場では、生き抜いていけないということ。今の日本ワインの質と値段で
は、まだまだ海外では通用しない。そういうアドヴァイスを会う人ごとに
してきた。と同時に、日本ワインの質をうんと上げて、来日する外国人に胸を張って振る舞える酒に成長させて欲しい。そして、その中の一部でも、海外進出に値しうるブランドができたら、、、、と願ってやまない。
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選ぶ基準は、 単一品種(シャルドネ、ピノノワールなど)であれば、ブドウの個性とテロワールがしっかり表現されたもの、ブレンドワインなら、作り手の個性とバランスが良いものを探している。大手有名メーカーや、カルトワインという法外に高いワインは敬遠し、ワインの好きな人が、気軽にそして頻繁に楽しめるワインが私のテーマだ。結局、小規模及び家族経営の、手作り感のある作り手が多くなる。個人的には、エレガントでヨーロッパ的な「カリフォルニアワイン」を好むが、フルーティーでどっしりとしたワインのニーズも根強いため、幅広いスタイルを紹介している。 そんなワインを、少しずつ紹介していこうと思う。
初回は、<strong>Von Holt Wines (ヴォンホールト)</strong>という サンフランシスコ市内にある小さなワイナリー。夫婦がリタイアした後、立ち上げた。クリス(Chris)は元シークレットサービス、パム(Pam)は元ダンサーという変わった経歴の持ち主だが、ワインにかける情熱は本物だ。そのワインを手掛けるのは、John Fonesという元弁護士の醸造責任者だ。3人に共通するのは、ブルガンディー(ピノノワール、シャルドネ)とローヌ(ヴィオニエ、シラー)品種を愛し、適度に高い酸味と果実味のバランスの良い、デリケートなワインを好むこと。ブドウはソノマバレーの中でも、冷厳な一等畑から 買い付けている。 彼らのワインに出会ったのは、数年前に出席した Family Winemakers of Californiaの試飲イヴェント。当時、某企業の顧問として、日本でのワインクラブの立ち上げに関与しており、質の高いシャルドネを探していた。数百の零細(家族経営)ワイナリーが出店している中で、ヴォンホールトのワインは別格だった。値段を聞くと、小売価格で$38という。高名な$65以上の ワインと比べても、全く引けを取らない質だ。しかも、大手企業やスーパーマーケットブランドの濾過ワイン(磨きすぎて、色ばかりキラキラしている大味ワイン)と違い、フィルターをかけない正真正銘の手作りワインだ。
数日後、SFで彼らのワイナリーを訪問し、改めて味と質を確認した。ワインメーカーのジョンとも会い、ワイン造りの手法と考え方を聞いた。以来頻繁に蔵に通い、彼らのワイン造りを見守るとともに、新しいヴィンテージを試飲してきた。ぶれない味というのは、大切な要素だからだ。ソノマから収穫したブドウが到着する日には、ワイナリーに足を運び、運搬されたブドウの質を確認。彼らの丁寧な選別作業にも立ち会った。こういう時間を共有しながら3人の人となりと、日本に進出する夢が本物か、自分なりに観察してきた。そして、彼らの作るワインを順次日本に紹介している。今回紹介するワインは、アメリカでは直接Vonholtwines.com のウェブサイトで購入できる。ちなみにピノノワール、シャルドネはWine Enthusiastの90点台の高得点の他に、日本の国際ワイン品評会(<a href=”http://www.sakuraaward.com/jp/result/2017.html”>Sakura Japan Women’s Wine Awards 2017</a>)ではそれぞれダブルゴールド、シルバーに輝いた。ワインメーカーのJohn Fonesの個別銘柄のホワイトブレンド(Cellars 33 The Betty 2015)も同品評会でゴールドを受賞し、その質の高さが認められた。尚、<strong>Cellars33 (セラーズ33)</strong>のワイン(https://www.cellars33.com)も日本市場に紹介を始めた。
Von Holt Winesの推奨ワインとアメリカでの価格は以下のとおり。Suacchi Piot Noir $44 (ダブルゴールド), Sonoma Coast Piot Noir $35, Heintz Family Chardonnay $35(シルバー。白ワインだが、無濾過ワインなのでデカンタを勧める)Viognier Tera Alta Vineyard $25(日本食と寿司の相性が抜群)Syrah Halcon Vineyard $30(来月公開)各種の辛口ロゼ$20
また、Cellars 33お勧めワインはローヌ品種のブレンドも美味しいThe Betty White Wine$26 (ゴールド) ロゼ$20、及び各種ピノノワール$33~$42
(これらのワインの日本でのご購入は <a href=”mailto:info@fcellars.com”>info@fcellars.com</a> へコンタクト下さい。)
]]>7月29日と8月11日のセミナーは、ワイン業界で活躍するプロ、及び WSETの受講者やソムリエ資格を有する(或いは)勉強中のセミプロを対象に、2部に分けて講義を行います。(詳細は添付のフライヤーご参照)。この講座の申し込みと詳細は、松木リエ (メルアド:riematsuki@me.com)宛てに。 また、別途F Cellarsが開催するカリフォルニアワインの夕べも、7月26日(水)に予定。こちらは一般向けのワインテイスティングを含むレクチャーで、追ってF Cellarsよりご案内いたします。
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ロゼの世界的ブームに火をつけたのは、本国フランスとアメリカだ。ロゼといえば美しいサーモン色をした、辛口の南仏プロヴァンスがご本家。フランス人のワイン離れが加速して久しいが、ロゼの売り上げは、白赤ワインの低迷 をよそに上昇する一方で、今ではワインの3割を占めるまでになった。その火付け役は、ミレニアルと呼ばれる1980-1996年生まれの(これは統計者によって多少の差があるが)若者たちで、ビールやカクテルを好むいわゆる「ワイン離れ世代」だ。その彼らが何故ピンクワインに飛びついたのだろうか?
幾つかの要因が考えられるが、まずロゼの身軽さだろう 。超辛口から甘口まで何でもあるし、飲みやすいフレッシュさが売りだが、白ワインほど軽くもないし、赤ワインほどシリアスではない。価格帯も3ユーロから15ユーロと手ごろで、夏の暑い盛りにキンと冷えたグラスで飲むとたまらない。それとカクテルのベースとしても面白い。フランスでは特に若い女性に人気が出たようで、南仏の住人や旅行者、そして全仏で売っている手ごろなスーパーマーケットロゼも含めて、大ヒットと成った。フランスは世界で一番ロゼを生産する(7.6 ヘクトリトル)国だが、昨年は需要が上回り(8.1ヘクトリットル)ロゼを外から輸入したほどだ。お陰で、フランスは世界最大のロゼ生産、消費、輸入国となった。ちなみに輸出はスペイン、イタリアに次いで3番目。スペインとイタリアとの大きな違いは、フランスは国内で大量のロゼを消費する国だということ。
驚くことに、ロゼ第2の消費国はアメリカで、フランスとアメリカの2国で世界の半分のロゼを飲んでいる。というと、『だってブラッシュワインを沢山飲むからでしょう?!』と言われそうだが、それは過去の話。ワイン文化が定着してきたアメリカでは、ボージョレヌーボーやブラッシュを飲む階層(?)は減ってきている。フランスのロゼの発祥地もリゾート地だが、アメリカでのロゼワイン流行の火付け役は、ニューヨークの避暑地、ハンプトンであった。筆者も現役の金融マンの時に、夏になるとハンプトンに週末別荘を借りて、通ったものだ。経験者ならよく分かると思うが、マンハッタン族が多く滞在するハンプトンでは、ショッピングやレストランに行くとご近所さんや同僚にばったり出くわすことがよくある。要は、同じ人口が週末はビーチハウスに住んでいて、平日は市内に帰って、仕事をしているというわけだ。
暑いニューヨークの夏を、ハンプトンで過ごした人たちの間で愛飲されたのが主にフランスのロゼワインというわけ。これだけの話であれば、どこの国でもあることだが、そこはわがニューヨーカー達。夏が終わって自宅に帰っても、ペアリングによく合い、守備範囲の広いロゼを日常的に飲み始めたのだ。更に革新的だったのは、若い男性達がロゼを支持して、わざわざメディアに「男だってロゼを飲む!いや、男らしい男はロゼを飲もう!」と呼びかける始末。まあ、頼もしい。お陰で、全米に広がったロゼブームであるが、今ではアメリカ人のロゼ人口比率は、男女半々近くになってきているとか。
ロゼが流行るには、消費者の支持だけで無理で、生産者及び流通業者のサポート体制が不可欠だ。その点、アメリカはフランスと違い、どんなブドウも育つし、どんな品種を使っても法的に許されるので、すぐにフランスの品質にマッチするロゼを生産するようになった。お陰で今ではどこのスーパーに行っても、プロヴァンスは勿論、国産、輸入ロゼが一年中並んでいる。そうだ、今夜は久しぶりにロゼを飲もう!
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