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日本のワイン品評会を評価する

  今年も8月に開催される『 ジャパン・ワイン・チャレンジ(JWC)』に招待され、審査員を努めてきた。ワインの品評会とは、ずばり、その国(この場合は日本)でワインをより有利に売るために、その国で開催される品評会に、自分のワインをエントリーし、金銀銅などのメダルを狙うイヴェントだ。 国内のメーカーは勿論、より多くの外国からのエントリーが目白押しだ。19回目の本年は、30カ国から1,800のワインが出展された。現在アジアで最大の品評会ということだ。   JWCが日本でもっとも格式が高い品評会といわれるゆえんは、その審査員の質にある。世界のワイン業界の最高峰といわれるマスターオブワイン(MW:注マスターソムリエMSとは別資格)を中心に、日本の草分け的なワイン雑誌の発刊者やワインメーカー、そしてなんといってもMWの登竜門といわれるWSET (Wine & Spirits Education Trust)のデプローマ取得者という(日本では)稀な人材を柱に、国際基準に従って、同じ目線でワインを評価できるバイリンガルの人材を揃えて来た。日本のワイン品評会を評価する 日本のワイン品評会を評価する このビジネスモデルと対極にあるのは、日本女性だけを審査員に据え、3年前に設立されば某アワードだろう。出品ワイン数に対して、膨大な数の女性審査員を擁立しているが、参加者の資格はまちまちだ。海外の国際品評会経験者や国際資格は問われず、日本独自の資格(日本ソムリエ協会認定ソムリエやワインエキスパートなど)か、国内でワインを販売する女性やワイン好きな女性が主流だ。昨年、私も呼ばれて審査をして来たが、「草の根的な」ワイン活動と認識、評価している。とはいえ、ワインのプロ(特に男性)としては、ある種の批判があるようだ 。 日本のワイン品評会を評価する こういう流れを認識してか、JWCでは審査員の質を更に向上させようと、今年は審査員全員の新格付けをおこなった。品評会の常で、ワインの評価は議長を含む5人一組程度のグループで行われる。議長はMWか国際的に活躍するジャーナリストやワインメーカーなどが務めるが、この議長が、グループ内の日本人審査員を評価した。評価基準は、ずばり審査員の質、「評価軸のブレ」だ。他の審査員のスコアーと全く違った点数を何度となく出す審査員には、ちきんとした 説明を求める。当然プロであれば、ワイン理論に基づいた 自分の採点基準を、理路整然とデフェンドできるわけだ。とはいえ、経験不足から来る「舌のブレ」だけは、どうにもならない。 日本のワイン品評会を評価する こうして議長と委員会から「優良審査員」と認定された者が、最後の品評に招待される。これは、各グループが選んだメダル受賞ワインを対象に再審査し、各カテゴリーのトップ(例えば、最優秀プラチナメダル、最優秀日本白ワインなど)を決める大変厳正な審査だ。私のグループは日本人としては最高位の資格を持つ日本女性ティームで、無事最終審査に参加できた。(この辺りの資格や詳細については当方のフェースブック、 www.facebook.com/yukisaitosf 8月1日−3日にて説明 )   この点、某アワードではワインの理論を把握した人材が少ないため、グループ内の点数の乖離が激しく、フィーリングで好き嫌いを評価する審査員も多く、議長がとりまとめに苦労していたのを思い出す。とはいえ、素人女性が選んだワインだから、信用ならないという論理はいかがなものか?日本でワインを購入するのは、そういう女性が主流なのだから。とはいえ、一年間、大変な苦労を重ねてワインを作っている世界中の生産者を多々知っているだけに、審査員には真摯にワインに向き合える愛情と知識を求めてやまない。日本のワイン品評会を評価する

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