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畑も蔵も保有せず。ヴァーチャル・ワイナリーの活躍。

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ハイテクの現代。オフィスを持たず自由な時間に好きな喫茶店にブラット入り、コンピューターとスマートフォンを使って、仕事をしている人をよく見かける。私の住むサンフランシスコ・ベイエリアはまさにITの中心地。打ち合わせや顧客とのミーティングもスタバでという土地柄だ。当然、市内にはヴァーチャル・ビジネスが溢れている。ヴァーチャル・ワイナリー(VW)もその一つだ。畑も蔵も保有せず。ヴァーチャル・ワイナリーの活躍。

 

VWとは、ぶどう畑も、醸造所も持たず、農家やスポットマーケットでぶどうを調達して、他人の蔵でワインを作るというビジネス・モデルだ。業態も様々だが、自分のワインを作りたいが、数千万から数億円という設立資金ができないため、VWを選ぶというケースが主流だ。彼らの大半は若く才能に溢れた醸造者か、自分のワインブランドを作るのが夢だというワイン狂だ。ここで区別しておきたいのは、単にお金を出してカタログでワインを選び、プロにワインを作ってもらう「自分のワインを作りませんか?」的な趣味ワインとは違う。彼らは真剣にワインビジネスに取り組み、それで生活をたてたいと願うワインのプロだ。

畑も蔵も保有せず。ヴァーチャル・ワイナリーの活躍。

このビジネス本国で25万人、米国(10万人)やオーストラリアでも、モデルのメリットは、大きい。まず、年に一度しか使わない醸造設備や、頻繁なメンテ、アップグレードに資金を貼り付ける代わりに、ワインの売り上げを、そのまま翌年のぶどう資金に充てる。ワインは、 インターネットでの直売するのが大半だ。流通業者を通せば手間賃を抜かれ、手元に残るキャッシュが減る。第二のメリットはその機動力であろうか。例えば、ワインの増産や、違う品種のぶどうでワインを作ろうという時、購入するぶどうのオーダーを変え、クラッシュ・パッド(共同で使う醸造所)で使う頻度などを調整すれば良い。この点、 通常のワイナリーであれば、まず新たな設備投資をしてキャパを増やす必要がある。自社ぶどう園を経営していれば、新品種への植え替えをしてからワインを作るまでに軽く5年はかかる。その間に消費者の嗜好は、違うスタイルのワインに行ってしまうことがままある。

 

デメリットはメリットの裏返し。ぶどうの買い付けが確保できなければ、質量ともに影響を受ける。VWのブランドが軌道に乗り、さあ増産!という時に、ぶどう農家が農園を人出に渡してしまい、急遽別のルートを探さねばならなかった という話を聞いたことがある。自社農園を持たない通常のワイナリーも事情は同じだが、店構えのない(ワイナリーの施設を持たない)WVの場合は、個人の信頼関係だけが頼りだ。更に、他人の施設を借りてワインを作っているので、施設を使うプライオリティーはそこのオーナーが最優先。2013年は、白黒ぶどうが同時に熟成してしまった稀な年。通常なら、順番に入ってくるはずが、一斉にぶどうが送られてくるので、どこのワイナリーもパニクった。なにしろ設備もスペースも足りない。こういう時、仮住まいのワインメーカーは後回しにされる。新鮮なぶどうが外に置かれたまま順番待ちというのは、切ない。


畑も蔵も保有せず。ヴァーチャル・ワイナリーの活躍。それでもVWのサクセスストーリーは、後を絶たない。中でもこのモデルを世界的規模で展開し、注目を集めているのがイギリス発のネイキッド・ワイン(Naked Wine)だ。 クラウドファンディングがベースで、$40を出資するとエンジェルと呼ばれるメンバー(顧客)になる。 本国で25万人、米国で10万人のエンジェルを有し、オーストラリアでも躍進中。集めた資金は、世界各地に散らばる無名のワインメーカーに出資し、チャンスを与える。こうして作ったワインを、エンジェルに買って評価してもらい、そのフィードバックを更にワインメーキングに活かすという一石二鳥モデルだ。一切店は持たず、全ての取引をインターネットで行うところも、無駄がない。

 

こういう現代的なVWだが、実は最近の現象ではない。古くから活躍するブルゴーニュのネゴシアンは、現地でぶどうを調達し、自社ブランドを作ってトレードしてきた。一斉を風靡したボルドーのガラジスタ(自宅のガレージでワインを作る)も、このモデルの先駆けだ。彼らに共通するのは、古くからのしがらみの外で、自分の納得のいくワインを作ってみたいと

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