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イタリア最高峰スパークリングワインの生産地を訪ねる Visit to Franciacorta DOCG

7月はミラノ郊外にある、『フランチャコールタ』という、大変ユニークなワイン地域を取材してきた。ここは、知る人ぞ知るイタリア最高級のスパークリングワイン(SP) の製造地である。すぐ隣のヴェネト州では、地場品種グレラを使って早飲み用に仕上げる、飲み易いプロセッコが大量生産されており、今では世界で最も売れているSPとなった。これに対してフランチャコールタは、シャンパンと同じく高級品種のシャルドネとピノ ノワールを限定地域に植樹し、製造もシャンペンと同じく、しっかり瓶内で2次発酵させることで繊細な泡を作り、最低18ヶ月にわたって、瓶熟成する。これは本家本元のシャンペンの最低規定期間の12ヶ月よりも長いことになる。

イタリア最高峰スパークリングワインの生産地を訪ねる Visit to Franciacorta DOCG

フランチャコールタの歴史は新しい。ロンバルディアというイタリアで最も洗練された地域で20世紀後半に発展した。仕掛け人は、ミラノで財をなした富裕層で、「イタリアでフランスのシャンパンを凌駕するワインを作る!」というかけ声のもと、国の定めるワイン法よりさらに厳しい自主規制を課し、短期間で地域振興を達成した。

イタリア最高峰スパークリングワインの生産地を訪ねる Visit to Franciacorta DOCG

今回訪問したのは、この地域の二大生産者。カーデルボスコ(Ca’del Bosco)はシャンペンに例えれば、モエテシャンドンに近い。そのスタイルはフルーティーでキレイな果実味が特徴だ。一方のベラヴィスタ(Bellavista)は、モエットの対極にあるボランジェのスタイルで、樽熟成から生まれる深みとフィネスが特徴だ。誤解を恐れずに言えば、ボスコはモエットのように万人受けするおいしい果実味があり、ベストセラーのCuvee Prestige (米国での35ドル前後)は、筆者も毎週のように気軽に愛飲している。正にイタリアの太陽と、ハイテクが生んだSPである。対して、ベラヴィスタはよりシャンペンに近いスタイルで、酸味も旨味もボスコより高く、熟成度が深い。イタリア最高峰スパークリングワインの生産地を訪ねる Visit to Franciacorta DOCG

スタイルは違っても、2社に共通するのは、「イタリアではブドウが成熟するので、シャンペンのキツ過ぎる酸味やシビアさはない」というポジションだ。まるでカリフォルニアのワインメーカーの言かと思ってしまうが、彼らにとってもシャンペンの非常に高い酸味は、敬遠するのだろうか。逆にあの酸味や、果実味を抑えたシビアさが好きだという人は、シャンペンを好むわけだ。

イタリア最高峰スパークリングワインの生産地を訪ねる Visit to Franciacorta DOCG

地域を訪問してまず驚いたのが、近代的な美しさだ。どちらのワイナリーも、超近代の造形を誇り、庭園や社内(クラというより会社に近い)にはモダンアートが惜しげもなく飾られ、まるで美術館のようだ。小高い丘に立てば、北にイゼオ湖が佇み、南はオルファノの山々が囲む地形が見られる。この湖からの湿った空気と、山からの涼風が、本来は非常に暑い地域のブドウ栽培に、良い影響を及ばしている。

イタリア最高峰スパークリングワインの生産地を訪ねる Visit to Franciacorta DOCG

フランチャコールタにも、課題は多々ある。まず知名度が低いこと。歴史も新しいが、生産量が少ないため、当然輸出市場も限定される。また、生産者による質のばらつきもあり、中にはソコソコの質で20ドル以下のものもあるが、この価格帯はシャンパン以外のSPがひしめく激戦区だ。逆に高品質のものは、シャンペン並みの値段が付いており、一般の消費者が両手に取ったときに、どちらを選ぶかは自明の理だ。ここで、シャンパンではなく、消費者がフランチャコールタを選ぶという構図が描けるように、生産者が一枚岩になって、マーケッティング戦略を打っていく必要がある。実例として、世界で最も成功している「ブランドシャンペン」という競争相手を追い落とすのは、容易ではない。イタリア最高峰スパークリングワインの生産地を訪ねる Visit to Franciacorta DOCG

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